病棟から美容クリニックに転職すると、看護師としていくつかのギャップに直面します。
せっかく美容看護師になるなら、「イメージと違った」という理由ですぐに退職するのはもったいないです!
入職前に、あらかじめ直面しそうなギャップをイメージできるように、私の実体験をもとに記事を書きます。

プロフィール
30代 都内勤務 美容看護師8年目
総合病院にて3年間勤務後、大手美容外科・皮膚科へ転職し、3年半勤務し役職も経験。その後さらに自分が目指す理想の美容看護師になるべく、個人美容皮膚科へ2度目の転職。 美容看護師になるか迷っている方へ寄り添ったり、美容看護師の楽しさを伝えたく情報発信している。
美容クリニックに転職する看護師の、主な転職理由とは?


美容クリニックへの転職理由は、大体みなさん同じ
私が美容看護師として8年間勤務して、様々な看護師と出会ってきました。私を含め、出会った看護師がなぜ美容クリニックに転職しようと考えたか、その理由は大体皆さん似ています。
美容看護師に転職した理由は、
- 病棟勤務が精神的・体力的に辛かった
- 夜勤のない職場で働きたかった
- 日勤のみで給与が高いところで働きたかった
以上の3つは大体みなさん共通しています。
おそらく、美容看護師に興味があって調べているみなさんも、上記の3つのどれかは当てはまるのではないでしょうか?
しかし、上記の3つをもう一度よく見てみてください。
「美容が好きで、美容クリニックに興味があったから」
という、最も重要そうに感じられる理由がないですよね?!
もちろん元々美容が好きな美容看護師もたくさんいらっしゃいますが、実際はそうではないところからスタートしてキャリアを積んでいる美容看護師も多いです。
実際はもともと美容に興味がなかった看護師も多い
美容看護師になるなら、「美容に興味があること」が必須だと思っていませんか?
実際のところ、私の周りにも美容看護師として長いキャリアを積んできた看護師が多数いますが、「美容に興味があって転職した」という人は意外と少ないんです。



本当のところ、実は私も病棟から美容クリニックに転職するとき、あまり美容には興味がありませんでした(笑)でもせっかく飛び込んでみたのだから何年かやってみようと続けていたところ、気づいたら美容看護師が楽しくなり、美容も好きになっていました!
実生活でも「もともと興味はなかったのに、やってみたら意外と楽しくてハマってしまった」「最初は全然好きじゃなかったのに、気づいたら推しができていた」というような事ってありますよね。
それと同じで、美容看護師もやってみたらハマってしまう魅力のある仕事だと私は感じています。
美容クリニックに抱いていた理想と現実のギャップ


華やかなイメージとは裏腹に、めちゃくちゃ体育会系
これは私が大手美容クリニックへ転職するときにエージェントさんからも言われましたし、様々なサイトにも書かれていることが多いですが、



そうはいっても美容なんだから、きっと大げさに言っているんだろうな…
と思っていたのですが、実際のところ
想像以上にめちゃくちゃ体育会系でした。
実際にどんなところが体育会系かというと、研修期間を例に挙げてみると
- 毎朝、今日の目標を発表する
- 一日の勤務終了後、今日の反省と明日の目標を書く
- 居残りで脱毛練習(医師がいないと実際に照射はできないので、器械の電源を消して練習。残業手当は出る)
- 習得したいオペの見学ができるように自分からリーダーに采配依頼する
ざっと挙げてこんな感じです。
ちょっぴり、あの大変だった看護実習時代が思い起こされる内容ですね(笑)
プリセプターはいましたが入職時期の近い新人看護師も多かったので、自分からガツガツ行かないと、どんどんおいて行かれる環境でした。



私はもともと学生時代がっつり体育会系の部活に入っていたのですが、それでも「美容って本当に体育会系じゃん!」と思ったのを覚えています。私は俄然燃えてしまうタイプだったので、結果それが合っていたのですが(笑)
もともと体育会系の環境に慣れていない方や、「美容クリニックは仕事が楽」と思って入職する方は、このギャップはかなり大きく感じているようでした。
実際、「もっと楽だと思っていた」という理由で、美容クリニックに入職して数週間で辞めていった同期や後輩を何人も見てきました。先輩は優しい人が多かったし、人間関係も悪くない環境だったのですが…
「美容クリニックは楽できる」という期待が大きいまま入職した看護師は、体育会系の環境にギャップを感じやすい傾向にあるようです。
病棟勤務時代と美容クリニックでの仕事内容のギャップ
雑務もすべて自分たちで行っている
総合病院などで働いていると、掃除や物品の発注などを看護師自身で行うことはあまりないですよね。
ですが、美容クリニックだと
- 患者様を迎えるための準備・掃除
- 薬剤や備品などの発注
- オペに使用する器械の滅菌
- 器械トラブルが出た際の業者とのやりとり
上記のような仕事をすべて自分たちで行います。



規模の大きいクリニックでは、看護助手さんが常駐して手伝ってくれることもあります。
病院だと清掃員の方がいらっしゃるので、直接お掃除をすることってなかなかないですよね。
また、薬剤・物品の発注や器械の滅菌も自分たちで行いますが、忘れてしまうとその施術ができなくなってしまうため、患者様やほかのスタッフに迷惑がかかってしまいます。
特に発注係を担当している最中は、気を引き締めて在庫管理をする必要があります。
このあたりは慣れてくれば普通のことになりますが、最初はギャップを感じる点だと思います。
接遇が求められる
大手美容クリニックに転職し研修が始まったころ、当然まだ患者様を直接対応することはないのですが、患者様と廊下ですれ違ったときに
「いってらっしゃいませ」「お疲れ様でございました」
と廊下の端に寄ってご挨拶をするように指導されました。
病棟勤務時代は患者様とすれ違って「おはようございます」とあいさつをするくらいはありましたが、廊下の端によって一礼することはなかったです。



入職当初から、「ああ、本当に今日からは本当に接客業なんだ!」と思ったことを覚えています。
接客業がもともと好きだったり、興味があればそこまで大きなギャップではないと思います。
まとめ
美容看護師に抱いている理想や、想像していた業務とのギャップが大きければ大きいほど、早期離職に繋がりやすいです。実際、イメージと違ったという理由で退職した人を何人も見てきています。
逆に、長く美容看護師を続けている人たちは、様々なギャップを乗り越えられたから続けられています。
完全にイメージするのは難しいと思いますが、少しでも「美容看護師になったら今と何がどう違うのか」を知っていただければギャップに動揺しづらくなると思い、この記事を書きました。
記事の内容を想像してみて、美容看護師になるかどうかしっかりご自身で検討してくださいね!
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